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ECPシステムについて

CellexECPシステムは、体外に取り出した血液の遠心分離法による成分分離過程、分画成分として取り出された白血球成分に対するメトキサレン処理、続いてUVA(紫外線A波)が照射され、照射を受けた白血球成分が返血される、といった一連の過程から構成されます。

  1. ①患者さんの血液を体外へ循環させ、血液を遠心分離してバフィーコートを収集します
  2. ②赤血球および血漿は患者さんへ返血します
  3. ③バフィーコートをメトキサレン溶液で処理します
  4. ④紫外線(UVA)を照射します
  5. ⑤患者さんへ返血します

Cellex ECPシステムの特徴

治療効率と感染防止(完全閉鎖式で行うシステムです)⁴

Cellex ECPシステム 平均治療時間¹

シングルニードルモード:103分

治療中にシングルニードルモード・ダブルニードルモードを切り替えることができます。これにより、患者さんの静脈アクセスの状況に応じた対応が可能になっています。³
ぜん動ポンプがスムーズな静脈圧に保ちます。³

ダブルニードルモード:74.4分

治療全体を通して静脈アクセスが維持されることにより、患者さんへの再穿または微生物による汚染リスクを最小限にします。²

汎用性

Cellex ECPシステムは、様々な状況に対応できます

静脈アクセス

静脈アクセスの状況に応じて2つのモード(シングルニードルまたはダブルニードルモード)を切り替えるることが可能です。³

様々な血漿状態への対応

ボウルオプティックセンサー値の設定により、脂質過多な血漿やビリルビン過多な血漿等に対応できます。³

白血球数が少ない患者さんでも治療が可能

継続的な血液の回収と分離により、白血球数が少ない患者さんであっても治療が可能です。³

血液流量の変更

心肺機能や腎機能に合わせて、脱血・返血流量の変更が可能です。³

体外循環血液量の最小化

ダブルニードルモードにより、体外循環血液量を最小化できます。³

自動化

Cellex ECPシステムは、治療を自動的に管理します

ボウルオプティックセンサーが、赤血球分離境界線(バフィーコート)を自動的に識別します。³

患者さんの様々な状態の血しょうへの対応と、連続的なバフィーコートの採取を可能にします。³

自動流量コントロールにより、臨床オペレーターが介入する頻度を減少することが期待できます。³

Cellex ECP システムは、採取したバフィーコートへUVAを照射するフォトアクティベーション時間を自動的に計算し設定します。この時間はランプの残り使用期間、採取したバフィーコートのヘマトクリットやその量に基づきます。³

形状および構成

注意:Cellex ECPシステムのトレーニングを受けた医療専門スタッフのみが、この治療を実施することができます。
医療専門スタッフの方は、治療をはじめる前にCellex ECPシステムの添付文書およびCellex ECPシステム取扱説明書を確認してください。

1.Bisaccia E, et al. Br J Dermatol. 2009;161(1):167-169.
2.Knobler R, et al. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2020;34(12):2693-2716.
3.Cellex ECPシステム取扱説明書 Ver.5.7
4.Cellex ECPシステム審査報告書

作用機序

動画 および イメージ にてご紹介いたします。
作用機序は完全には解明されていませんが、ECP治療によりバフィーコート中の白血球の一成分であるリンパ球T細胞のアポトーシスを誘導し免疫寛容が成立することが、いくつかの研究によって報告されています。

作用機序は一部しか解明されていませんが、ECP治療によりバフィーコート中の白血球の一成分であるリンパ球T細胞のアポトーシスを誘導し免疫寛容が成立することが、いくつかの研究によって報告されています。メトキサレンは、単独ではアポトーシスを引き起こしませんが、UVAにより活性化し、DNAを共有結合的に架橋します。つまり、赤血球及び血小板は核を有さないため影響を受けず、核を有する白血球がメトキサレンの標的となります。
白血球サブタイプの中でもT細胞はアポトーシス促進作用に感受性が高く、返血後、アポトーシスがプログラミングされたT細胞が脾臓及びリンパ節に取り込まれ、抗原提示細胞(APC)により貧食され、樹状細胞の活性化を経て免疫寛容を誘導します。APCの寛容原性は処理済のバフィーコートの貧食により生じると考えられており、インターロイキン10(IL-10)などの抗炎症性サイトカインの分泌増加により炎症が抑制され、次に制御性T細胞の活性化及び産生促進により、免疫システム内の正常なT細胞のバランスを取り戻すことで免疫反応形成に寄与していると考えられています。¹ ²

作用機序

※クリックすると拡大画像が見れます

Edelson RL.: Sci Am 1988; 259: 68-75.
Edelson R. et al.: N Engl J Med 1987; 316: 297-303.

Cellex ECPシステムの歴史

現在のプラットフォームであるCellex ECPシステムは2009年に初めて登場しました。
それ以来、100万件以上の治療に使用され、30カ国、300以上の医療機関で使用されています*。*2012年~2021年の合計¹

Mallinckrodt Pharmaceuticals は30年以上にわたり、ECP治療による免疫療法の科学的進歩のために先駆的な役割を担ってきました。私たちは、医学教育への投資を続けるとともに、技術の洗練を追求し、ECP治療のさらなる進歩に専心しています。

Cellex ECPシステムは日本国内において、ステロイド抵抗性又は不耐容の慢性移植片対宿主病に対するECP治療として外国製造医療機器製造販売承認・保険適用を受けた唯一のシステムです。

私たちは、医療従事者の皆さんが患者さんに最適なECP治療を提供できるよう、革新的な治療プラットフォームと包括的なサポートサービスを提供することに努めてまいります。

私たちは、患者さんのQuality of Lifeに貢献することを使命としており、患者さん中心、誠実、革新、協働、が私たちの仕事の基盤であります。
医療従事者の皆さんが、より安全にECP治療を患者さんに提供できるよう、包括的なサポートサービスを提供することに努めてまいります。

これらの医療機器は、米国Therakos社によって開発されました。THERAKOS™、UVAR XTS™ は日本以外における名称です。
現在Cellex ECPシステムの開発・設計は、Mallinckrodt Pharmaceuticals Ireland Limited に移管されております。

https://therakos.eu/company/
1.Therakos (UK) Ltd. Data on File – ref-05174.